予防接種とは
病原体（細菌やウイルス 等）に感染し、発症すると重症化するリスクが高いとされる病気（感染症）にできるだけ罹患しないように行われるのが予防接種です。
この場合、感染症の原因とされる細菌やウイルスなどの病原性を極限まで弱める、もしくは無力化させたワクチンを使用することがほとんどです。これを接種することで、自然感染しなくてもその感染症に対する免疫がつけられるようになります。その後、同様の病原体が体内に侵入したとしても、発症しにくくなるか、発症しても重篤化の可能性は低減するようになります。
このように予防接種（ワクチン接種）は、自分の身を守るために行うものです。そして多くの方々が接種するようになれば、集団免疫を獲得するようになれば、ワクチンを接種することができない方々の市中感染のリスクも減少するようになります。つまり予防接種をすることは、社会を守るという側面もあるのです。
当院では、以下の予防接種を行っています。
インフルエンザワクチン
こまめな手洗い、マスクの着用など予防対策はいくつかあるのがインフルエンザですが、最も有効とされているのがインフルエンザワクチンによる予防接種です。この場合は、接種時期も重要です。日本では毎年12月～3月頃までにインフルエンザは流行しますが、1回の接種による持続効果期間は約5ヵ月、接種後に効力を発揮するまでに2週間程度の期間が必要と言われています。そのため、できるだけ高い効果を期待されるのであれば、流行のピークの1月を迎える直前、遅くとも12月中旬までに接種を終えるようにしてください。
なお同ワクチンは年齢によって接種回数が異なります。接種自体は生後半年を過ぎた乳児から可能ですが、13歳未満のお子さんは計2回の接種が必要です。13歳以上から1回の接種となります。2回接種する場合は、1回目の接種を終えてから2～4週間後に受けるようにしてください。
ちなみにインフルエンザを常に予防したいのであれば、有効持続期間は半年程度であること、流行する型は毎年異なるといったことから、1年おきに受ける必要があります。例年であれば、各自治体で10月より同ワクチンの接種が開始されます。
肺炎球菌ワクチン
肺炎は日本人の死因第5位の病気ですが、死亡された方の95%以上が65歳以上の高齢者です。また肺炎の発症原因はひとつとは限りませんが、成人の肺炎患者様の中で最も多いのが肺炎球菌です。そのため、65歳以上の高齢者、60～64歳の方で心臓や腎臓、呼吸器等に重い障害のある方については、定期予防接種扱いとなりますので、費用の一部が助成されます。ただし、すべての高齢者を対象とはしていません。そのため詳細につきましては、お住いの自治体の公式サイトをご覧ください。
